是非ご一読ください。
(本文引用)
「確信犯」が提示する1968年からの半世紀。
「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」
「破壊から再生へ」をテーマに、1968年と現在のあいだ「1/2 Century later.」(あれから半世紀あるいはこれから半世紀)をひとつのモチーフにした個展を開催しているTHE EUGENE Studio。大規模なインスタレーションを中心に、新作を展示した本展をキュレーター・大坂紘一郎がレビューする。
プラハの春、ベトナム戦争に対する反戦運動、パリの五月革命、東京大学や日本大学をはじめとする全国の大学で学生運動が激化し、世界各国で体制への異議申し立てが巻き起こった1968年——。
メディア歴史学者フレッド・ターナーは、著書『カウンターカルチャーからサイバーカルチャーへ』(2006年)の中で、スチュワート・ブランドらが60年代に提起した知へのアクセスを要求するカウンターカルチャーの反響が、ウェブを大衆化し、シリコンバレーが生み出した商品や社会の情報化に与えた影響を分析している。いかなる未来像を目指して進んでいくべきなのか? その社会の実現に向けどのようなテクノロジー開発が必要なのか?
こうした根本的なビジョンが、テクノロジーの進化が生む現実可能性の伸びしろのなかで問い返され、飛躍的な変化がもたらされた。政治変革、テクノロジー開発、そして未来へのビジョンとは、ひとつの連鎖として構想されるべきものであり、そうした総体がたとえばSFというフィクションに見いだされる。と同時に、個人が自己利益のために行動しながらも、コラボ的消費としてある価値観を醸成している現代にあって、現実と断絶しないかたちでアイデアの社会実装を模索するスペキュラディヴ・デザインや、技術開発の実践をともなうソーシャルビジネスとしてのアーティストの活動が注目されている。
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