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Beyond good and evil, make way toward the wasteland.
2018, Sculpture, Installation, Ceramic, iron, wood, glass, ash, other, 8900×3200×4200 mm

フィクションの実在化/テクノロジーのイメージを前景化する——

「Beyond good and evil, make way toward the wasteland.」は、映画『2001年 宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック、1968年)のラストシーンに登場する原寸大の真っ白な部屋を彷彿とさせる、破壊/風化を経た彫刻作品。ガラスケースの中に、塵が積もった椅子、ベッド、キャビネット、欠けた大理石の柱、油絵などが風化した状態で収められています。

“この部屋は『2001年 宇宙の旅』の終盤のセットを模したものであるそうだが、当時の批評に倣うのであれば、『善悪の荒野』はいわば「発注されたガラクタ」=現代における『ブラックペインティング』であり、ある意味で、モノリスは不在なのではなく部屋と一致しているとすることもできるだろう。これは決して突飛な意見ではなく、作品内で相反するものが両立している状況の提示は本展全体にも関わってくる重要な視点である。

オルデンバーグは幾何学、抽象、合理性を形式的に表現することを目指し、その効果の増大を図るべく、あえて家の中でもっともソフトで意識的思考から遠い部屋である寝室を選んでいる。彼は あらかじめ様々な幾何学的な図像を寝室の平面デザインに落とし込んだ上で、周到に遠近法を 意識しながら三次元化を試みているのだが、この作品を当時誰よりも高く評価したのは美術批評家時代のドナルド・ジャッドであった。ソフト・スカルプチャーと幾何学性というふたつの極性を両立させる意志をジャッドが鋭く読み取っていたことは強調しておいて良い。”

長谷川 新(インディペンデント・キュレーター)「『1/2 Century later.』——コンセプチュアル・アートの場合」

“劇中でこの部屋は、「モノリス(≒人類を導く高度なコンピューター)が人類を進化させるために用意」した部屋として登場します… しかしこのインスタレーションには、劇中でこの部屋の中央に存在したモノリスはありません。本展「1/2 Century later.」において本来のモノリスの場所——ボーマン船長が超人となる場所から眺めていた視線の先——にあるのは、ホワイトペインティングなのです。”

(『THE EUGENE Studio 1/2 Century later.』 来場者へ向けた、配布ハンドアウト(資生堂ギャラリー )より)